開設日 2005年 1月 2日
最終更新日 2019年 9月21日

   

港のまち、炭鉱のまちとして栄え、湿原を間近にのぞむ 道東の拠点・釧路。
ここは、1982年よりこの地に店をかまえる 豊文堂書店のウェブサイトです (店舗案内は、こちら を どうぞ)。
すぐ下の小窓で サイト内の在庫の検索 ができます (本店と北大通店の在庫が混ざって表示されます)。
お知らせ
9/21 (土)  豊文堂書店の新規入荷欄
学校史、思想、芸術、文学、文庫の分野  計11点を 登録しました。


2月より休業していた 白金町の本店が 営業を再開しました
毎週日曜日 10:30〜18:00 のあいだ 店を開きます。

<9月の営業日>
9/1 (日)、9/8 (日)、9/15 (日)、9/22 (日)、9/29 (日)

(9/8 は 北大通店2階の喫茶ラルゴのライブ準備のため 15時までの営業です)


釧路市立美術館「138億光年 宇宙の旅」より「火星の砂漠」(館内撮影許可おりてます)。(クリックすると 拡大します)
北大通店 2階 喫茶 ラルゴ Largo の 部屋夜は口笛を吹くな
北大通店の玄関を入って
すぐ右手の階段をお上がりください。
美味しいもの、あれこれご用意しています。
散歩の途中の骨休め、1階で古書をご覧になった後など、お気軽にどうぞ。


日替ランチメニュー、展覧会やライブ告知の情報は こちら から
喫茶 ラルゴ の 新着情報 入口

 平位公三郎さんの自伝的音楽コラム 「レコードの溝」 を更新しました。

 今回は、冒頭で本コーナーのこれまでの道のりを振り返っていただきました。 また本編も、吉田拓郎ばかりではなく、 平井一彦、友部正人、こまどり姉妹、友川かずき、樹木希林、小津安二郎といった諸氏の名前が行き交う いつも以上に多彩な内容。
 彼らをつなげるキーワードはズバリ 「狂気」 です。

  平井一彦 『密漁』 (You Tube より)

  友川かずき 『生きてるって言ってみろ』 (You Tube より)

  ニーノ・ロータ 『道』 (You Tube より)


                (2018年11月21日更新)

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 豊文堂書店の常連さんが書き手にまわる連載コラム 「本を繋げて」 の収蔵庫は こちら です。

                (2018年11月28日新設)

      ×       ×       ×

 連載コラム 「本を繋げて」 の特別編として、 根室市在住の福田光夫さんによる 「泉川駅史考」 (先行公開版) を掲載しています (こちら からお読みください)。

 北海道東部のとある駅と町のかかわりを見つめた貴重な論考であるのは勿論のこと、 福田さんの少年期の幸福な思い出と結びついた、これだけは書き残しておきたいという使命のようなものがお分かりいただけるかと思います。

 また、本編がこの時期に発表される背景には、 JR北海道が北海道新幹線開通の裏で進める赤字路線の廃止検討策への懸念も見てとれるでしょう (福田さんは3月下旬に廃止される花咲駅の駅史を現在編纂中とのこと。 追記: 『花咲駅史 1921.8.5-2016.3.25』 は2016年10月初旬に刊行されました)。

                (2016年2月1日更新)

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  2019年8月21日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第228試合

  1. 乃南アサ
  2. 石の本 (鉱物)
  3. 昨日ここにあった箱の本
  4. 剣道の本
  5. 小熊秀雄の全集

 『ウッシーとの日々』 の漫画家、はた万次郎さんは釧路出身だった。 お客さんに教えてもらう。

 3の 「昨日ここにあった箱の本」 というのは、100円均一箱の本のこと。 前日は天気が悪く箱ごと店内に置いていたが、天気が回復したこの日は外に出していた。 お客さん、お目当ての本を見つけたみたい。
 5打数1安打。打率 2割5分3厘9毛。


  2019年8月20日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第227試合

  1. 本店で聞いた太平洋炭鉱で働いていた人の本
  2. この間の氷室冴子のやつ (『なぎさボーイ』 の方)
  3. 古市憲寿
  4. 千早 茜
  5. 奈良少年刑務所の本
  6. 寮 美千子 『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』
  7. 寮 美千子 『あふれでたのはやさしさだった 奈良少年刑務所絵本と詩の教室』

 「なぜ男性誌 『GQ』 は家族を特集したのか。 編集長、憲法改正草案を語る。」

 前々週の釧路公演の後も 劇団どくんご のテント芝居を追っかけていた常連さんがお見えになる。 当麻と岩見沢の両公演のお話をスマホの画像付きでたっぷりと聞かせてもらう。 いいないいな。

 一昨日の本店のお客さん、こっちにも顔を出してくれた。 岡崎正之 『長いトンネルの道 炭礦生活の記録  釧路新書』、岡田利春 『嵐は強い樹をつくる』 の2冊をお求めに。 岡田利春は太平洋炭鉱労働組合委員長を務めた、かつての釧路選出の社会党の衆議院議員。

 2ヵ月半前に訊かれた氷室冴子のお客さん、再訪してあのときの本まだありますか、と。 集英社コバルト・シリーズの 『なぎさボーイ』 がもらわれていく。 ひと粒で2度おいしいとアーモンドグリコのCMはいうけれど、これも1冊で2安打稼いだことにしよう。

 2週間前に訊かれて本店在庫を移していた竹内靖雄の著書が2冊売れる。
 7打数4安打 (内2安打 6/3、8/7分)。打率 2割5分4厘2毛。


  2019年8月19日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第226試合

  1. 委任状の用紙
  2. 前に見かけた和田誠と息子の唱の対談本
  3. 渡辺昇一 『知的生活の方法』
  4. 北前船の本
  5. レコード
  6. 台本

 夜の北大通で くしろ市民北海盆踊り がはじまり、やがて騒々しさが消え、演者と観衆が三々五々帰っていく。 それはもう見事なくらいにいつもの閑散とした北大通へとほどけていった。
 花壇に水撒きをしていると、通りがかりの年配の方に声をかけられる。

 「京都から来たんやけど、この辺にショッピングセンターはないかい。 寒うて肌着を買いたいんや」
 京都弁の再現に自信がないので各自で脳内補正をしてください。

 江差町教育委員会・編集 『北前船 日本海文化と江差』 が売れる。
 6打数1安打。打率 2割5分1厘8毛。


  2019年8月18日 (日)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第225試合

  1. Tarot Card
  2. 『アト°イ 俺は魂をデザインする』
  3. 前に棚でみかけた太平洋炭礦の職員が書いた本
  4. 竹老園の人が書いた本
  5. そばの本

 2月から休業中の本店だが、喫茶部長が日曜日だけは開けるようにした。 よってこの日は営業中。
 『アト°イ 俺は魂をデザインする』 は、その本店に在庫があり、お客さんに教える。 後で喫茶部長から売れたよと報告が入る。

 3は本店の喫茶部長からの電話での問い合わせ。 お客さんに訊かれたものだが、どの本を指しているのかわからない。 釧路新書の 『長いトンネルの道』 であれば、北大通店に在庫がある。 そう伝えたが、この日はお客さんは姿を見せなかった。

 渡辺克己 『北のそば屋さん 正・続』 が売れる。
 5打数2安打。打率 2割5分2厘4毛。


  2019年8月17日 (土)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第224試合

  1. 遠藤周作 (ユーモアエッセイ)
  2. 『エルメスの手』
  3. 『絹の家』 (渡辺美佐子のドラマ)
  4. 橋田壽賀子 『女の生き方』
  5. なかにし礼 『赤い月』
  6. 山田太一
  7. 相場英雄 『震える牛』
  8. 宇宙とか地球が出来るのとかそういうのが書いてある本
  9. モーパッサン 『女の一生』
  10. 武田家が四国に渡った伝説を書いてある本
  11. エッチな本
  12. 漢字のくずし字の読み方が載っている本
  13. サリンジャー 『ライ麦畑でつかまえて』
  14. レコード
  15. ルーベツ?というグループのシングル盤で
  16. 僕に合いそうな本を選んでください

 「僕に合いそうな本を選んでください」 と初対面の人にいきなり言われたって、 酒に酔っているらしいことを考慮しても一寸芝居がかりすぎている。 「お兄さんの好みに任せます」 とつづけられ、ならばこちらの好みとやらを押し通すことにしよう。 またしてもポケミス版のロスマク 『さむけ』 を選んでしまった。 これで何人目なんだ。 んでもって、うちの店には 『さむけ』 が何冊あるんだよ。

 お客さん、会計を済ませた後で某大手出版社の編集者だと素性を明かした。

 他に、遠藤周作 『ボクは好奇心のかたまり』、官能小説の文庫本4冊、古文書の本2冊、サリンジャーが売れる。

 前夜休止になった 釧路新聞社 主催の 釧新花火大会 は、この日に延びる。 遠くの方から花火が揚がる音が聞こえ耳をすます。
 16打数5安打。打率 2割5分1厘6毛。


  2019年8月16日 (金)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第223試合

  1. 子どもの本
  2. レコード
  3. 『明鏡辞典』

 悪天候の中、 港文館 で開かれているアサノユウスケ サクヒンテンへ。 写真とイラストと立体と。

 港文館の喫茶コーナーでコーヒーを頼む。 しばしゆったりとした時間をもつ。 持参した 「映画芸術」 の最新号を開くと、 渡邊孝好が 『居酒屋ゆうれい』 を監督したときの主演の萩原健一のことを書いていた。

 「繊細で真正直な役者、俳優。 何をするのか予期できない萩原氏は昂ぶった自分の気持ちをコントロールできないし、コントロールしない。 萩原氏の爆発は、自身のわがままではなく、苛立ちだ。 作品に対するまっすぐで強い思いが形を変えて監督やスタッフに向かってくる。 しかし、出会って、仕事して、鍛えられた自分がいることに後になって気付くことがある

 面倒くさくて純粋で誤解されやすくて傷つきやすい。 この稀有な俳優の肖像をひと刷毛で鮮やかに描いた追悼文だった。

 『居酒屋ゆうれい』 で主役の男女がはじめて出会う場面が、 ショーケンの 「全然、ドキッとしねえんだよな。こんなんじゃ、俺は惚れないね」 をきっかけにどんどん現場で肉付けされていく。 素っ気ないシナリオの記述が、生きた人間が動きまわる豊かな具体へと生まれ変わる。 これぞ俳優の仕事だと尊敬の念がわく。

 昔、頻繁に来ていた常連のSさんを思い出した。 あの人も、正直者で口が悪くて、しょっちゅうあちこちでもめ事を引き起こしていた。 や、ショーケンの恰好よさは微塵もなかったけれど、うちの店でもよく騒がれたっけ。 本人も己の気質を制御できずに苦しんでいたように思う。
 北大通店ではじめて出会った気のおけないお客さんだった。 いなくなって随分経つが今もしきりに脳裏に浮かぶ。
 3打数0安打。打率 2割5分0厘5毛。


  2019年8月15日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第222試合

  1. 村上春樹 (『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』 の単行本)
  2. 血が滾ってくる小説
  3. こんなような和紙で出来てる本
  4. 鉄道の本
  5. このリストのマーカー線を引いてある本

 マグネット先生から 「血が滾ってくる小説」 のリクエストを受ける。 これで2回目。 前回は船戸与一などをすすめたが、今回はどうしよう。

 店に在庫があり、値段は手に取りやすく、もちろん私が読了済みでなければならない。 これらの縛りがなければ自由に選べるのだけれど。
 迷った末に筒井康隆の 『大いなる助走』 の文庫本にした。 血が滾らなかったらごめんなさいだ。

 5のお客さんは道北にお住まいの方。 当店サイトの郷土誌のページをわざわざ印刷してお持ちくださった。 何点ものご所望の本にマーカー線が引いてある。 北大通店の在庫はすぐに見つかった。

 問題は長期休業している本店の在庫だ。
 夏休み休暇中の2階の喫茶ラルゴに、たまたま喫茶部長が来ていた。 聞けばこれから本店の片付けに行くという。 渡りに船。 お客さんといっしょに向こうで在庫を探してくれるように頼んだ。

 夜10時すぎに体が空き、私も本店へ向かった。 喫茶部長は店内の片付けと並行してまだ本探しをつづけていた。 お客さんはすでにお帰りになった後で、リストの内いくつかの本が見つからず郵送することになったという。

 喫茶部長と2人で店内をくまなく探索してみたものの、これが見つからないのなんのって。 楽勝のつもりが当てがはずれた。 それから1時間半かけてようやく全点をそろえたが、その内2点はダブリ品でお茶を濁す羽目になった。
 オリジナル品の行方は、誰も知らない。
 5打数2安打。打率 2割5分1厘3毛。


  2019年8月14日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第221試合

  1. 薬草の本
  2. 数独の本

 納品とお見舞い。 午前11時半より店を開ける。

 『北海道薬用植物図彙 覆刻版』 が売れる。
 2打数1安打。打率 2割5分0厘5毛。


  2019年8月13日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第220試合

  1. 前にそこにあった 「墨」
  2. 新聞の広告に載っていたサンマーク出版の〜
  3. レコード
  4. 絵手紙の本

 喫茶ラルゴは夏季休業中。 フラカンさんに教えてもらった NHKラジオの鉄道番組 をかけようとして、久々にNHK FMに周波数を合わせるが雑音ばかりで何も聴こえない。 だのじみにじでだのに〜。

 さて、貯めに貯めこんだ当欄を書き足そうと今ごろになって検索をかけたら (ただいま9月5日)、 NHKラジオ第一の放送だったことがわかった。
 AMの番組なら聴くことができたじゃんか。 FMでやっている 「今日は一日○○三昧」 の枠だとばかり思いこんでいた……。
 4打数0安打。220試合を終えて、900打数225安打。打率 2割5分。


  2019年8月12日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第219試合

  1. レコード
  2. 手芸の本
  3. クリムト
  4. 何か新しいの
  5. 「ロスト・イング・リード」 の前売券
  6. 稲垣足穂

 パッチワークの本が売れる。
 買い求めたお客さん曰く 「手芸専門の雑誌や出版社がなくなっちゃって、愛好者も高齢化してるのよ、 若い人たちが学校で習うものは手芸というよりも工作化しているし、 以前に比べるとパッチワークの本も見かけなくなっちゃった……」
 ことは手芸の分野に留まらないのではないか。

 『アール・ヌーヴォーの世界 3 クリムトとウィーン 色彩のエロティシズム』 が売れる。

 土曜日に訊かれた義経本、 本店から持ってきた 『別冊歴史読本 源義経のすべて』、『静御前伝説とその時代  悲劇の舞姫終焉の地 郡山』 が無事もらわれていく。
 6打数3安打 (内1安打 8/10分)。打率 2割5分1厘1毛。


  2019年8月11日 (日)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第218試合

  1. 古い北海道の地図
  2. 建築の本
  3. 洋書
  4. 『飛ぶ教室』
  5. 久保田政子の画集
  6. 武田泰淳 『ひかりごけ』

 山の日。
 2階の喫茶部長が 休業中の本店を再開した
 北大通店から外してしまったレコードだが、本店では従来どおり扱っている。 随時、追加補充も行うようだ。
 毎週日曜日の営業。 どうぞお立ち寄りください。

 特に古い地図ではないけれど、 『都道府県別メッシュマップ 自然環境保全基礎調査用 北海道』 の1、2巻が売れる。 環境庁自然保護局計画課自然環境調査室の発行。
 6打数1安打。打率 2割4分9厘4毛。


  2019年8月10日 (土)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第217試合

  1. 源 義経
  2. 原田康子

 パッケージプラザ我満で包装資材を調達してから店を開ける。
 2打数0安打。打率 2割5分。


  2019年8月9日 (金)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第216試合

  1. 書道関係の本

 ここで取り上げるのがもう何度目になるのかわからないが、またしても 釧路市立博物館 のマスコット・キャラクター はっくんの話である。

 今年から8月9日が  「は (8) っく (9) んの日」 に決まった。 当日は博物館で はっくんグッズの限定品が売り出されるという。 行かいでか!

 朝から暴風雨だったが、妙な義務感にかられて開館時間の午前9時半ちょうどに入館した。 飛んで火にいる夏の虫。 入ってすぐのマンモスホールには はっくんグッズの販売ブースが設けられ、 悪天候で手持ち無沙汰の学芸員さんが何人も集結していてすぐに囲まれた。 客1人に対して、なんとアンバランスなことだろう。

 皆さんにおだてられて、グッズの購入者の第1号に。 クリアファイル、ノート、マグネット、トートバック、 缶バッジ3個が福袋のようにしてまとまって1,000円ぽっきりだなんて、お買い得だわ〜。

 開催中の企画展 「あなたとカラスのおつきあい」 ものぞく。 ハシブトカラスの特製帽子をかぶって 記念撮影する

 カラスおみくじなるものがあって、引くと 「末吉」 である。 カラスになりきった一文 ――「お腹が空いたので、貯食していたパンを食べる。 どこに埋めたか覚えてるんだな」―― が印刷されていた。
 はっくんの日を存分に味わい満足して引き上げる。 30分遅れで店を開ける。

 書道の本が売れる。
 1打数1安打。打率 2割5分0厘5毛。


  2019年8月8日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第215試合

  1. 思想
  2. 北海道が1枚の地図になってるようなデカイの
  3. 青木祐子 『これは経費で落ちません』 の2巻

 港まつりが終わり、どくんごが終わり、姪っ子が帰り、釧路にしては猛暑だった日々が終わり、 かくして今年の夏はしめやかに幕を閉じた。

 小雨が降ったり止んだりの天気。 車の窓をきちんと閉めたかどうかが猛然と気になりだす。 いてもたってもいられなくなり、歩いて10分ほどの駐車場まで見に行くことにした。 窓は閉まっていた。 己の妄念に踊らされてしまった。
 事のついでに本店でホームページ注文品の本を探してから店に戻る。

 法政大学出版局 「ウニベルシタス叢書」 のシオランなどが売れる。
 3打数1安打。打率 2割4分9厘7毛。


  2019年8月7日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第214試合

  1. 原田康子 『挽歌』
  2. 竹内靖雄 『正義と嫉妬の経済学』
  3. 他にこの人の本
  4. 朱肉
  5. ヨーヨー・マのCD
  6. 日本の浮世絵などのポスター
  7. 風鈴

 竹内靖雄の 『経済倫理学のすすめ』 が売れる。 同じ著者の本が休業中の本店にも数冊あるので、こちらに移して後日見てもらうことにしたい。
 7打数1安打。打率 2割4分9厘4毛。

 夜、 劇団どくんご の新作芝居 「誓いはスカーレット θ (シータ)」 を見に近所の栄町公園へ。
 来年の公演は休むと伝え聞く。 どくんごロスを怖れたであろう近隣の老若男女で犬小屋テントは満員だ。

 今年もいたるところで詩心が炸裂する夢幻の一夜だった。 とりわけ第二バイカル湖の一幕に心をわしづかみにされる。 何度でも通って見直したいくらいだが、例年どおり私が見ることができるどくんごは釧路公演の1回のみになりそう。
 終演後の打上げにだらだらと居座る。


  2019年8月6日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第213試合

  1. 宇宙の本
  2. 大島育雄 『エスキモーになった日本人』
  3. レコード
  4. 『家なき子』
  5. 草野心平
  6. レコード

 またしても4歳児の姪っ子と店ン中でかけっことかくれんぼ。 汗だくになる。 本気を出しすぎた。

 『立体で見る星の本』 が売れる。 角川文庫版の 『家なき子』 も売れる。
 6打数2安打。打率 2割5分0厘2毛。


  2019年8月5日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第212試合

  1. ビアズリー系
  2. 法律、不動産の本
  3. パソコンの本
  4. 関 鑑子 『青年歌集』
  5. 釧路の歴史の本
  6. 『白糠町史』
  7. 障がい者に関する本
  8. 『日本語を話そう』
  9. レコード
  10. 北村透谷

 「戦後憲法裁判の記録を多数廃棄 自衛隊や基地問題、検証不能に」

 分別がつく大人がやることじゃないなと、物が捨てられない系の古本屋は思う。

 例年、港まつりが終わった翌日の街は眠ったように静か。 今年もそのとおりになった。

 岩波文庫の 『北村透谷選集』 が売れる。
 10打数1安打。打率 2割4分9厘7毛。


  2019年8月4日 (日)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第211試合

  1. 昔の歌の (三橋美智也)
  2. 山登りのガイドブック
  3. 「なんかいいの入ったかい」
  4. 半紙
  5. これと同じの (徳間文庫の佐木隆三 『日本漂民物語』)
  6. 佐木隆三
  7. 山川惣治 『少年タイガー』
  8. 末岡外美夫 『人間達 (アイヌタリ) のみた星座と伝承 』

 くしろ港まつりの最終日である。 この日も好天。
 午後1時からの 音楽パレード に向けて沿道に人が集まってくる。 常連さんがみえたので 「パレードですか」 と尋ねたら、 「ん、おやき買いに来た。パレードは見ない」 と即答される。
 花よりだんごの人だということを忘れていた。 すみません、愚問でした。

 2が売れる。
 8打数1安打。打率 2割5分1厘4毛。


  2019年8月3日 (土)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第210試合

  1. 岩波文庫のサマセット・モームの『サミング・アップ』
  2. 高等学校で使っている地図帳
  3. 平成11年に釧路新聞社から出た羽生 輝先生の 『美の旅 創造の旅』

 前日、元生徒会長氏に教えてもらった シカク のサイトをのぞく。 取り扱っているジンの数々が蠱惑的ではまりそう。

 くしろ港まつりの2日目。 午後3時より 市民踊りパレード がはじまる。

 電話で訊かれた3の在庫あり。 パレードの最中、お客さんが意中の本を受け取りに見える。
 3打数1安打。210試合を終えて、847打数214安打。打率 2割5分2厘6毛。


  2019年8月2日 (金)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第209試合

  1. 講談社のプチコミックスの 『真夜中のシンデレラ』?
  2. 東野圭吾
  3. 道尾秀介
  4. 松田優作の 『処刑遊戯』 の映画パンフレット
  5. 大下英治

 鈴木大介インタビュー 「格差社会の復讐者たち」

 「若い世代をきちんと育てられないことの結果は、将来、自分たちの社会に跳ね返ってきますから」 のくだりに震撼する。 40代以上の大人の責任についても重たい言葉がつづく。

 「お金持ちが集まって住んでいる町があったら、そこの奴ら全員外出させて、そいつらの家に入れませんかね」 の発想にホームズの有名な短編を思い浮かべる。

 戦前の釧路の絵葉書 (昭和一六年三月三日 大湊要港部検閲済) を仕分けていたら、春採公園を写した1枚があった。

 キャプションには 「丘陵湖沼を巡りて萬古の碧水静かに 緋鮒湖中に舞ふて紅錦の色濃かなり  天然記念物」 と付いているが、肝心の写真にヒブナは影も形もなく、春採湖を背景にしてのんきに牛が主役を張っている。

 『レコジャケ ジャンキー!』 を通過した者としては、どうしたって ピンク・フロイドの 『原子心母』 を並べてみたくなる。 同書でも 『原子心母』 のジャケットは大人気だったっけ。

 あたりが暗くなり、港まつりの くしろ港まつり の大漁ばやしパレードがはじまる。 年々、祭りの様相がさびしくなっていく実感がある。
 途中の夜8時で店を閉めてパフェ会へ向かう。

 3が売れる。
 5打数1安打。打率 2割5分2厘3毛。


  2019年8月1日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第208試合

  1. 北海道の歴史の本

 前日より釧路に滞在中の岩村誠二さん、今回も精力的に近隣の町々をまわっているらしい。 恒例の風景印はがきが店に届きだす。

 この日の分は、茶内郵便局 (浜中町) と厚床郵便局 (根室市) のもの。 その後の数日間で 計8枚の風景印はがき を送ってもらった。 いつもありがとうございます。

 夜、2階の喫茶ラルゴで フロレンシア・ルイスヤヒロトモヒロ Duo Live 釧路公演

 スタッフSさんのライブ・レポートは 今回も充実 している。
 1打数0安打。打率 2割5分2厘6毛。

 小田光雄氏の 「出版状況クロニクル」 が更新された。
 昔アルバイトをしていた新刊書店が破産申請したことを知る。


  2019年7月31日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第207試合

  1. ゴルフを題材にしたマンガ
  2. 子どものころに読んだ 『ジャングル・ブック』
  3. 英語の本
  4. 日本の小学生や中学生が読むような本
  5. 釧路の本
  6. 山田太一
  7. 70年代の 「スクリーン」
  8. 金澤伊代 『詩集 海のかたち』

 札幌の岩村誠二さんがご来釧になる。

 常連の書道の先生に、見逃していた 「ブラタモリ」 の録画ディスクを貸してもらう。 釧路湿原の回阿寒・摩周の回

 外国の方にルビ付の講談社青い鳥文庫が売れる。 日本の方に山田太一エッセイ集 『路上のボールペン』 が売れる。
 8打数2安打。打率 2割5分2厘9毛。


  2019年7月30日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第206試合

  1. アイヌのシャーマンの本
  2. 陰陽道の本
  3. 三浦綾子
  4. アイヌ語辞典
  5. 「あれからプロレスの本入りましたか」
  6. 中国からの古い本
  7. 太宰 治

 休業中の本店の掃除に勤しむ喫茶部長が、36年前、 釧路新聞に掲載された父親の文章 を発掘した。

 全文は、次のリンク先でお読みいただけます。 豊川俊英 「古本屋雑感」 (「釧路新聞」 昭和58年5月28日掲載)

 関東から避暑に来ている4歳の姪っ子と店内で追いかけっことかくれんぼに興じる。 タッチされないように莫迦みたいにおどけて体をひねって逃げていたら、てき面に背中を痛める。 一部始終を居合わせたお客さんに目撃される。

 先週の井上章一を探していたお客さんが再訪、本店から持ってきた 『美人コンテスト百年史』 が売れる。
 7打数1安打 (内1安打 7/26分)。打率 2割5分3厘0毛。


  2019年7月29日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第205試合

  1. 星野仙一
  2. 道新記者が書いた?釧路の生活保護の本
  3. 浮き球
  4. 『かもめのジョナサン』
  5. English-Japanese dictionary
  6. Car Number?

 2は 『自治総研ブックレット 釧路市の生活保護行政と福祉職・櫛部武俊 自治に人あり 5』 のことだった。 在庫はない。

 浮き球が売れる。
 6打数1安打。打率 2割5分3厘9毛。 (K)
音楽コラム 「レコードの溝」 第50回 吉田拓郎 その5  平位公三郎・文
 平位公三郎さんの自伝的音楽コラム 「レコードの溝」 をお届けします。 今回は、冒頭で本コーナーのこれまでの道のりを振り返っていただきました。 また本編も、吉田拓郎ばかりではなく、 平井一彦、友部正人、こまどり姉妹、友川かずき、樹木希林、小津安二郎といった諸氏の名前が行き交う いつも以上に多彩な内容。
 彼らをつなげるキーワードはズバリ 「狂気」 です。

  平井一彦 『密漁』 (You Tube より)

  友川かずき 『生きてるって言ってみろ』 (You Tube より)

  ニーノ・ロータ 『道』 (You Tube より)


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 レコードの溝  第51回 
 吉田拓郎 その6 (『古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう』 『青春の詩』 『たくろうオンステージ第2集』 中編 その2)

                               「大阪のガス人間」 こと 平位公三郎 ・ 文


  (前段)

 このコラムを書き始めたきっかけは、たまたま豊文堂さんに送った <音楽を通した自分史> 〜それが 「前口上」 〜だったと思います。 それを読んだ社長さんに、面白いから書いてみませんかと言われて書き始めました。

 最初は、長い文は店長さんの負担になると思い、 原稿用紙2枚くらいに下書きしてからスマホで清書して送ってました。 (パソコンは持ってないので今でもメールです。) でも、長くてもコピーできるのを知りだんだん長くなりました。

 そのうち、一つのバンドについて書きたくなりピンク・フロイドシリーズが始まりました。 フロイドの総てのアルバムについて書いたら、一区切りとしてこのコラムも終了しようと考えていました。 そのうち月1更新を自分に課して行きました。 その更新回数や内容などに豊文堂さんからの注文は全くありません。

 月1更新は、だんだん自分の仕事のようになって来ましたが、『何でこんなことしてんだろう?』 と思い、 正直しんどい時もありましたし、資料集めに費用がかかったりもしましたが、 上手く書けたなと思った時は楽しかったんです。 「カイカーン! (快感)」 ですね。 それだけですね。 それだけのことで、ボランティアでもありませんしね。

 それに、読まれた方がどう思おうと、私には全く関心がありませんでしたし、 ごく少数の友だちに向けて書いてる積もりでした。 実際、ブログではないので一体何人の人が読んでるのかも分かりませんしね。 それは今も変わりません。

 ところが、諸般の事情で 「レコードの溝」 を休止またはやめるとなった時は、意外に落ち込みましたね。 腑抜けは大げさですけど、ちょっとそんな感じになりました。
 それは、自分でも予想外でした。 気付かないうちに、このコラムは、私の中で (勝手に) 大きく成長してたんですね。

 ですから、今後は気楽に考えて書いて行こうと思います。 拓郎シリーズもいつまで何処まで続くかは分かりませんが、またよろしくお願いします。

  ★

 (では、本編です。)
 拓郎さんの正式デビューアルバム 『青春の詩』 だが、私が使って一番恥ずかしい日本語は <青春> なのです。 1960年代半ばから70年代初め頃、「青春のなんとか」 というテレビドラマが大流行したことがあったが、 大概高校生と教師のあれこれだったのでタイトルだけで内容は分かってしまった。 もういいよ!と思っていた。
 21世紀前半の現在は、幸い <青春> が使われなくなってホッとしている。 (<青春> が好きな人はごめんなさい。)

 (話は飛ぶが)、
 今回の北海道長旅で出会った釧路在住のシンガー・ソングライターを紹介したい。 私と字は違う同姓の 「平井一彦」 さんです。 しかも、歳は私の3つ下で近い。
 しかし、とても固い人生を生きて来た私とは全く違う人生だ。 (平井一彦さんの生き方には憧れるし羨ましいが、自分の性格上体格上絶対無理だと思う。でも憧れる。)

 彼のことは、川島店長から教えてもらい平井さんの発売したCDを7枚持っている。 今回、たまたま平井さんが喫茶店でライヴをやるので店長と一緒に出掛けて、 しかもライヴ終了後に自己紹介して握手してもらった。 感激! 体がでかくてパワーを感じた。

 平井さんは、元漁師でタクシードライバーをやりながらライヴ活動をしている。 私は、その生きざまから生まれる生々しい歌詞と粘っこい歌声にハマった。 「密漁」 や 「臨検」 というタイトルだけで分かるでしょう?(こんな歌ないよ!)

 フォークというよりブルースに近い。 いや、むしろ津軽三味線の土着の匂いかな? (そういえば、最近こまどり姉妹にハマっている。 こまどり姉妹は、ザ・ピーナッツのようにハモれないので軽く見ていたが、少しハモってましたね。 失礼しました!最近は、二人の声の違いも分かります。)

 実は、2年前にラルゴで友部正人のライヴを見て彼にファンレターを渡した。 こんなことは初めてだったが、私の自作の詩を2編書いてたので、彼も驚いたと思う。 ライヴの次の日に本店で彼に会った。
 友部正人は詩人だと思う。 歌詞が詩として成立しているから <吟遊詩人> だ。 なんか、力まずに自然に自由に生きてる感じが素敵だった。

 でも、平井さんはメジャーな雰囲気の楽曲とは異なるし、友部正人とも違う。 その土着性?は独特だ。
 平井さんは、友川かずきにハマり影響を受けたそうだ。 友川かずきは名前だけは知っていたが、 テレビで 「生きてるって言ってみろ」 をギターの弦を切りながら歌う姿を観て衝撃を受けた。 しかも、胸ポケットには赤鉛筆を何本か入れていて、競馬か競輪の途中だと言っていた。

 私はぶっ飛んだ! 歌い終わり、「小遣い稼ぎができた」 と言って平然と帰って行くのを、 司会をしていた坂崎幸之助となぎら健壱が唖然として見送っていた。 またギャンブルに行くのだろうな。 『すげえなーやるなあー』 と、思った。
 と、ともに <ザマーミロ!> とも思ったのは誰に対してでもない。 司会をしてた2人を含めて、安定してる人たちに向けて 『世の中にはこんな人も居るんだよー!』 と叫んでやりたい気持ちになったのだ。
 何故だか分からないけど。…

 当然、友川かずきにもハマりCDを買いましたよ。 昔、三上寛に衝撃を受けたがまた違う衝撃だった。 まるで、詩人のランボーがギターを掻き鳴らして歌ってると思った。 狂気を感じたのだ。

 音楽だけで食って行くのは難しいし、<濃すぎる> ミュージシャンは不特定多数には受け入れられず特定される。 濃い原液は飲みにくいから薄めないと広められないが、その薄め方が問題だと思う。 だから、薄めずに自分の道を行くなら歌以外の収入が必要になる。
 それでいいじゃないか! 印税生活ができる人は、ヒット曲が必要だ。 そんな人は限られている。

 友川かずきには、狂気がある。
 平井一彦さんは、狂気の寸前で留まるが、いつそこへ突っ込んでもおかしくない危うさを感じる。 そこが魅力なのです。 こんなミュージシャンは居ませんね。

  ★

 さて、拓郎さん。
 当時は <たくろう> 名義ですが、初期の彼にはかすかに狂気を感じたけれど、 彼は (メジャーになるため?) 敢えてそれを棄てたか封印した。 (中津川のコンサートで、「人間なんて」 を1時間か2時間歌ったとか…狂気ですね。)

 加川良や泉谷しげるは狂気を自分なりにアレンジして表現した。 遠藤賢司は、ロックで狂気に走った。 だから、(大きな) 狂気を孕んだミュージシャンはメジャーにはなれないのですが、 ミュージシャンなんてみんな狂気を抱えてるんですよね。 役者や画家も同じです。 アスリートも同じです。

 実は、私たち一般人も狂気を抱えてるんですが、敢えてそれを見ようとはしません。 その狂気は、例えば 「え〜!あの人が?」 という類いです。 外面からは狂気は見えませんし、見せないようにしている人もいるでしょうし、 自分の狂気に気付かない人もいるでしょう。
 でも、私は総ての人が狂気を抱えていると思っています。 それを、上手く引き出せれば (まれに) 芸術になることもありますが下手をすれば犯罪です。 その差はとても大きいのです。

 では、ここで (私なりの) <狂気> を定義づけたい。 一般に 「狂気の沙汰」 といえば犯罪行為を指すが、そもそも法律が無ければ犯罪行為も無いことになる。
 では、正気とは何か? 法律に触れない生活をすることか。普段生活をしていて法律など意識しないが、 社会生活を営む上で法律はルールとして絶対に必要だ。

 しかし、時として小さなルールを破りたくなることは誰にもあるでしょう? (横断歩道以外を渡るとか、唾を吐くとか)。 刑法に触れるようなルール違反は、それを実行すると犯罪→ (近い) ←狂気となるが、 私はそれとは少し異なる定義をしたい。
 狂気とは、『人間の本能から最も遠い欲望を実践実行すること』 だ。 つまり、食欲・性欲・睡眠欲から遠く外れたことに没頭熱中することだ。

 (仮定として)、私は独房に閉じ込められたとしても、 (食事は保障され) 紙と鉛筆と本があれば生きていける自信はあるが、 普段の生活から読むことと書くことと考えることを禁止されたら狂うと思う。 いや、正気を失う。
 だから、ミュージシャンは歌わないと狂うんです。 映画監督は徹底的にこだわるんです。 その時、その人は人間の本能からは最も遠いところに居ます。 でも、それはスゴい快感なのですよ。 だから、止められないのです。

 人間は、<狂気> を吐き出さないと正気を保てないんですよね。 実に厄介な生物です。 それは、ひょっとしたら知性と理性を手に入れた時に、 狂気も <隠し味> として含まれていたのに気付かなかったのかもしれません。
 〜〜この世に狂気がなければ犯罪も戦争も起きませんが、芸術も生まれなかったかもしれません。 狂気がなければ平穏で平和でしょうが、如何にも退屈ではありませんか?〜〜
 あの世には狂気はないのでしょうね。 多分…

 ここまで書いて、やっと分かりました。
 私が、この 「レコードの溝」 を休むかやめるかでしばらく停滞していた時は、体調が悪くなりました。 それは、頭の中の狂気を吐き出せなかったからですね。 心の便秘です。 吐き出す <場所> が無くなったんですよね。 汚くてすみません。

  ★

 最近、狂気を感じた映画は川島店長から紹介されて観た、樹木希林の出演作 『日日是好日』 ですね。 私は、不覚にも冒頭から泣きそうになった。

 茶道が題材の静かな映画だが、〜「イタリア映画のフェリーニの 『道』 を家族で観たが、 私 (主人公の女子大生) は子どもだったのでさっぱり分からなかった」〜という語りで、 まずぐっと来てしまったのだ。 (百席が満席に近いスクリーンの前で、泣いてるのは恐らく私一人だろうと思うと恥ずかしくなり、 余計に涙が流れた。)
 それは、『道』 の悲しいストーリーを思い出したからなので、この映画の本筋とは直接関わりがない。 しかし、主人公の女の子の成長と心情の変化には通低しているのだ。

 まだまだ上映中なので詳しい内容は省くが、樹木希林の演技は <静かな> 狂気に満ちていて、 ラスト近くの顔のアップは何とも言えない表情であり、(「無我」 にも見えた。) 『嗚呼、この人はもうこの世に居ないんだ』 と思うと不思議な気持ちになった。 (後日、映画 『道』 を観たが涙は出なかった。 …記憶の中の映画とは形が変わってましたね。 いや、映画自体が変わることはないので私の記憶が変わってましたね。)

 この作品は、茶道を通して禅の精神にもつながってると思う。 〜〜果たして、樹木希林は悟りを開いて逝ったのだろうか?〜〜 あの表情からすると…悟ったと思うが、それが何かはもちろん私には分からない。 結果論だが、<諦め> にも見えた。

 ※(注) この映画は、退屈な人には退屈です。 田舎の友だちHくんは冒頭は爆睡したと言ってましたし、私の回にも静かな寝息が聞こえましたからねぇ〜。 でも、Hくんはもう一度観たいと言ってますし私もそうです。

 こういう、特に大きな事件の起こらない映画 (個人的には起こりますよ。) のことを私は 《小津安二郎的作品》 と呼んでいます。 映画時間の流れがゆっくりゆったりしてますが、川島店長はそこにアクションを見出だしてましたね。 それもひとつの映画の見方ですよね。

 それと、「物事にはすぐに分かるものと、時間がかかるものとがある」 にも感銘しました。
 茶道の所作が合理的かというと不合理でしょう。 その所作にいちいち意味を求めても、それこそ無意味です。 でも、現代人は <合理的であること> にこだわるんですよね。
 例えば、数字で示されると安心し納得するんですよね。 (だから、逆に騙されやすい。) でも、犯罪を起こすんですよね。 矛盾です。 犯罪は、合理的ですか?

 「教育は不合理です」 と、この前参加した大学の卒業生の集まりで、ある教授が言った。 それは、以前聞いた 「教育は矛盾です」 と符号する。

 久し振りに見直した小津の作品 『彼岸花』 で、 主人公の頑固な父親が奥さんに矛盾していると攻められて言い返す。 「矛盾してないのは神様だけだ。人生は矛盾だらけなんだ! だから矛盾の総和が人生だって言った学者だってある」 と、必死で言い返す。
 その様子が、いつも貫禄充分の主人公の父親が子どもの様に駄々をこねるので、 笑ってしまったが私も矛盾のかたまりです。 (この場面がこの映画唯一の山場と言ってもいい)
 でも、67歳になって小津作品を観ると、沁みますねぇ〜。 確かに、時間を経ないと分からないこともあります。

 それに、映画作品自体は変わらないのに、いつの間にかそれを観る自分の方が変わって行っているのです。 それを成長というのか老成というのか、経験を積んだというのかは分かりませんが、不思議なことですね。
 映画作品が <物差し> で、変化しなくても、 それを時々 <今現在> の自分に当てると長さが変わってる感じですね。 うん、そうだ!物差しだ。
 今の自分とぴったり合う昔の映画があると思いますよ。 (それは、いわゆる名画でなくてもいいんです。)

 だから、この映画 『日日是好日』 を観た若い人が、今から20〜30年後観るとどう思うのか楽しみだ。 多分その頃私は向こうで、樹木希林さんに会ってるかな? 会いたいな。 でも、ちょっとこわい。

  ★

 映画 『彼岸花』 は、1958年(昭和33年)の作品だ。 私は小学2年生か! ちょうど60年前になる。 私は遅い子どもなので、その当時の私の父親が映画の佐分利信の父親と同じような年頃だと思う。 そう思ってこの映画を観ると余計に感慨深い。
 生活環境は大きく変化しても、人間のやることはそんなに変わらないのですよね。 (うちの父親も、時々ムキになって母親とけんかしてたな…。 その夜は、母親と妹と3人で父親と別の部屋で寝てましたね。 でも今は、その時の父親の気持ちが分かりますけどね。)

 この前、1つ下の友だちと京都の母校の大学へ、教育学科開設50周年記念行事に参加したが、 友だちは何10年振りだったのでその変わり様に驚いて声も出なかった。
 ちょうど、学園祭だったので50年前の私たちみたいな年齢の学生たちを、 ベンチに白髪のおじさん2人で腰掛けて眺めていた。 「50年か…」と、2人で呟きながら。

 その、約50年前の1970年に、このアルバム 『青春の詩』 は発売された。
 オリジナルアルバムで言えば2枚目が 『人間なんて』 で、3枚目が 『元気です』 と続くのだが、 アルバムジャケットの拓郎の顔の変化を見てみたい。

 『青春の詩』 の拓郎は、おかっぱ頭で若い!と言ってももう24歳だ。 (でも、失礼ながら当時21歳くらいのK 先輩の方が老けて見えた。) 私は拓郎は、当時20過ぎでもっと若いと思っていたから、 「結婚しようよ」 の時は26歳だったのだからと、今更ながら納得した。

 さて、デビューアルバムの拓郎の顔は挑みかかるように見えるが、 『人間なんて』 の階段に座るジーンズに長髪の拓郎は、少し余裕を感じる。 加藤和彦ディレクターのこのアルバムは、変化に富んでいて良くできている。
 そして、メジャーに移った 『元気です』 の顔は不満たらたらに見える。 その拓郎の唇が、ミック・ジャガーみたいに分厚くてセクシーとか話題になりましたね。 今見ると、そうでもない。

 この3枚のジャケット写真に共通しているのは、拓郎の視線がカメラ目線ではないことだ。 3枚ともカメラのレンズを見ないで他所を見ている。
 それで思い出したが、初めて拓郎がテレビで 「マークU」 を歌うのを観た時も、 「襟裳岬」 で賞をもらった時もテレビカメラから視線を外していた。 俯いていた。
 それは、その後のマスコミに対する拓郎の姿勢につながると思う。 拓郎は、マスコミを信用していなかったのだ。

 ここまでの3枚目までが <私の拓郎> なのですよ。 これから後の拓郎は、少し私からは離れて行きます。 言い換えれば、拓郎に対する私の気持ちは <薄く> なって行くのです。

 拓郎を最も身近に感じたのが、2枚目の 『人間なんて』 で、まだ少し素人っぽさを残しているが、 『元気です』 からは完全にプロミュージシャンになってだんだんカリスマに近づくのです。 顔がアイドル顔になります。
 でも、この3枚のアルバムが、私にギターを弾いて歌う愉しさや、 カラオケの無い時代に自分のストレスを発散させる方法を教えてくれたのです。

 ありゃあ〜、またまた話はズレて、映画の話が中心になりましたね。
 すみません、『青春の詩』 と 『たくろうオンステージ 第2集』 の各楽曲については次回にします。


                                      (2018年11月21日掲載)

                           これまでの 「レコードの溝」は こちら です。
常連さんのリレー連載 「本を繋げて」 特別編 福田光夫 「泉川駅史稿」(先行公開版)
 豊文堂書店の常連さんが書き手にまわる 「本を繋げて」 という連載コラムを設けました。
 本に魅入られ、ときに格闘しながら、歩みをともにしてきた方々が、とっておきの話を持ち寄ってくださいます。 いずれも広い意味での 「発見」 にまつわる物語になるでしょう。
 本を繋げて人を繋いで、読書の愉しみ、探書の悦びが少しでも身近になりますように。

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 「本を繋げて」 の特別編として、根室市在住の福田光夫さんによる 「泉川駅史考」 (先行公開版) を掲載いたします。

 北海道東部のとある駅と町のかかわりを見つめた貴重な論考であるのは勿論のこと、 福田さんの少年期の幸福な思い出と結びついた、これだけは書き残しておきたいという使命のようなものがお分かりいただけるかと思います。
 また、本編がこの時期に発表される背景には、 JR北海道が北海道新幹線開通の裏で進める赤字路線の廃止検討策への懸念も見てとれるでしょう (福田さんは3月下旬に廃止される花咲駅の駅史を現在編纂中とのこと。 追記: 『花咲駅史 1921.8.5-2016.3.25』 は2016年10月初旬に刊行されました)。

 今回発表分は先行公開版だということですが、追加情報を加えた完全版の執筆も構想しておられます。
 長文のため、中盤以降は別ページにリンクを貼ってお読みいただけるようにしました。 画像はクリックすると拡大できます。 ぜひ最後までお付き合いください。



 第41回 特別編 「泉川駅史稿 (先行公開版 2015.1.6 現在)
                                            福田光夫 ・ 文


  ■はじめに

 平成元 (1989) 年4月29日、根釧台地の発展を支えてきた標津線が廃止された。 人々の夢や希望、あるいは絶望を運び続けた標津線の全貌は、個々の記憶や映像類、 同年に発行された 「彩雲鉄道 標津線56年の歩み」 等をもって、今も語り継がれてきている。
 そんな標津線の駅のひとつに 「泉川駅」 がある。 正真正銘、本物の僻地にあった駅である。 この駅に愛着を感じている人たちは、当時、住んでいた人たちか、秘境駅として訪れたことのある特定の鉄道マニアしかいないだろう。

平成元年4月29日の泉川駅。(クリックすると 拡大します)

 「泉川駅」 のあった市街地は戦後、急速に発展し、急速に萎んでいった特異な歴史を持つ。 今は、市街地部分は消失し、点在する酪農家が泉川を支えている。
 まだ市街地が少し残っていた昭和40年代に、父親の転勤の都合で、 小学校2年から6年生までの5年間、駅の近くに住んでいた者が駅史をまとめてみた。

 私は、昭和49 (1974) 年3月に廃校となった泉川小学校、最後の卒業生8人のなかの一人であったことを先に書いておく。
 泉川小学校の校歌は 「根室広野の樹木 (きぎ) あおく…」 で始まる。
 「泉川駅」 とは、そんな場所に、ポツリと出現し、ひっそり消えていった。 戦後70年のなかで辿った 寂しい駅の物語である。


  ■標津線の全線開通

 「泉川駅」 を語る前に、標津線全体のことを簡単に解説する。
 標津線は 「標茶駅」 と 「根室標津駅」 を結ぶ横の線 (69.4km 全線開通前は標茶-中標津間を標茶線と呼称) と、 「中標津駅」 と 「厚床駅」 を結ぶ縦の線 (47.5km) がT字状になっていた。 根釧台地に入植した人々の動脈路として、生活や産業を支えてきた。

「中標津西別間鉄道開通記念ゑはがき」袋の表紙。(クリックすると 拡大します)

 昭和9 (1934) 年10月発行の祝標津線開通記念 「新根室41号」 によると、 大正10 (1921) 年に根室本線が根室駅まで開通するや、直ちに本格的な標津線の建設運動が始まった。 翌大正11 (1922) 年4月法律第37号鉄道敷設法中に 「根室厚床附近より標津を経て北見国斜里に至る鉄道」、 即ち根室原野縦断鉄道が予定されるに至った。

 最初に開通したのが、「厚床駅」 と 「西別駅」 間で、昭和8 (1933) 年12月1日に開通した。 次いで 「西別駅」 と 「中標津駅」 間が、昭和9 (1934) 年10月1日に開通し、縦の線ができた。 もともとは、「厚床駅」 から 「根室標津駅」 までが標津線の名称だった。 「標茶駅」 と 「中標津駅」 間の路線は、後で追加され、奥地の拓殖事業の推進に対応したものだった。
 次に 「標茶駅」 と 「計根別駅」 間が昭和11 (1936) 年10月29日に開通し、 「根室標津駅」 までの全線開通は、昭和12 (1937) 年10月30日のことだった。

 当時の標津村が発行した 「中標津西別間鉄道開通記念ゑはがき」 が手元にあるので、 袋の表紙と、封入されていた4枚の絵葉書を掲載した。 袋の表紙にある地図を見ると、標茶−標津間が開通していない。 標津線と関係のない写真もあるが、中標津地域の 「ご自慢」 が何であったのか、分かるので掲載した。 なお、鉄道マニアにとってバイブルの 「彩雲鉄道 標津線56年の歩み」 には、いずれも未収録の資料である。

中標津駅。(クリックすると 拡大します) 標津市街全景。(クリックすると 拡大します) 養老牛温泉。(クリックすると 拡大します) 農事試験場根室支場。(クリックすると 拡大します)

 全線が開通した際には、鉄道省北海道建設事務所が 「標津線標茶線全通記念絵葉書」 を発行している。 袋の裏面が建設要覧になっており、線路平面図1葉や絵葉書4枚が封入されていた。 こちらは 「彩雲鉄道 標津線56年の歩み」 にも白黒写真で掲載されているが、ここでは、袋の両面と絵葉書4枚を掲載した。

「標津線標茶線全通記念絵葉書」袋の表面。(クリックすると 拡大します)

 袋の表側の絵は、国後島に向かっていくようなSLの後ろ姿が旅愁を誘う。 まさか、その8年後、ソ連に不法占拠されてしまうとは、誰も予想はしていなかっただろう。 今見ると、何か苦難を暗示しているかのような図柄だ。 裏の建設要覧は、標津線の建設事情を知るための第1級資料である。

「標津線標茶線全通記念絵葉書」袋の裏面・建設要覧。(クリックすると 拡大します)

 (建設要覧は、標津線と標茶線に分かれている。なぜ、標津線に統一されたのか調査中)

 なお、私の手元にあるのは、線路平面図が欠落している。 地図を見たい方は、「彩雲鉄道 標津線56年の歩み」 を参照願いたい。 その代わり、この駅史のおまけとして、バイブルの方には未収録の 「尾岱沼の蝦取船」 絵葉書を掲載した。 「尾袋沼」 と誤植がある。 直接、標津線とは関係ないので、掲載しなかったのだろう。

根室標津停車場。(クリックすると 拡大します) 標津線第二標津川橋梁。(クリックすると 拡大します) 標茶線十六粁附近直線路。(クリックすると 拡大します) 尾岱沼の蝦取船。(クリックすると 拡大します)

  ■泉川の地域史と駅の誕生

 別海町と厚岸町及び標茶町の境界線近くあった 「泉川駅」 は、「標茶駅」 の東隣の駅となるが、 間には 「多和乗降場」 (標茶駅から2.6km) があった。 「泉川」 の東隣の駅は、昭和42 (1967) 年4月1日に、地域の請願によって開設された 「光進駅」 で、終始、駅員無配置だった駅である。
 「泉川駅」 は、標津線の全線開通から7年後の昭和19 (1944) 年5月1日、 まずは仮信号所として開設され、同27 (1952) 年3月25日、一般駅に昇格した。

                         クリックすると つづきをお読みいただけます


                                         (2016年2月1日掲載)
随筆再録 第12回 「近未来の釧路市北大通繁盛記」 豊文堂書店 店主 豊川俊英 ・ 文
  近未来の釧路市北大通繁盛記   一古書店主の夢想
                                 豊文堂書店 店主 豊川俊英 ・ 文


 ――賑わっている。
 釧路駅から幣舞橋、それに橋向こうの南大通りの3軒をいれると、 この地区には何と25軒の古本屋が出来てさらに出店予定が4軒、 また全国チェーンの大型新古書店も進出を窺っているとの噂だった。
 北大通周辺はホテル街と古本屋街、それに従来よりの銀行・金融機関、各種公共施設、民間企業、個人商店がうまく絡み合って、 今や 「北の神田」 「北海道古本特区」 と呼ばれ、日本中より本好きを集めていた。

 JRや航空各社も競ってツアー商品を企画している。
 HACの 「函館・旭川・釧路、古本・温泉満喫の旅」、JALとANAも 「知床・釧路湿原・阿寒観光、古本探索ツアー」、 JRはお得意の3輌のSLを使って、根室―網走迄の特別列車 「SL古本号」 だ。 書棚のついた特別車輌を連結して車内販売もしております。
 来春には東京〜釧路間のフェリーも復活が決まった。 首都圏から自転車やバイク、乗用車で沢山の人が来るだろう。

 北大通商店街は確実に昔々の賑わいを取り戻しつつある。
 空き店舗に手頃になった家賃の魅力で若い人がここ7、8年の間にどんどん開業して増殖したのだ。
 古本のインターネット全盛時代は一服し、商売はやはり対面販売でという社会の変化と、 小さくても個性のある品揃えの店に再びお客さんが戻って来たのである。 オタク的な店主もいるが、その 「オタク」 を専門にしてしまったのである。

 高齢者や障害のある方にも配慮して手すりをつけ段差がなく、 店内を自由に見れる店も3軒あり各店ごとにトイレや休憩所も整備中である。 観光案内、荷物の一時預り、みやげ物販売、古本屋案内も兼ねた 「道の駅」 もあり好評である。 アジア各国からのお客様にも対応出来るようだ。

 駐車場のスペースが確保出来ない等の理由で、出店が遅れていたコンビニ業界も、今は各社が進出し競っている。 新刊書店の大手 「トーチャンゴー」 も40歳以上のお客様に的を絞った新店を現在十字街に建設中である。
 かつて中心街を運行していたあの懐かしの 「くるりん」 も 「こしょりん」 と名前を変えて元気に走っている。 現在は3台が稼動中であり、大切な足となっている。
 古本好きは地味ではあるが確実な滞在型であり1泊・2泊して地域の経済に大いに貢献してくれています。

 高速道路も整備されて出入口の阿寒は、重要な第2の古本屋地帯になろうとしている。 自然の中の樹々に囲まれた静かな地域に、主に美術関係を扱う店が数軒出来て、 一緒に進出して来た骨董店、レストランとミックスして軽井沢のような地域になってきた。 温泉もあり何といっても釧路空港に近いのが、最大の利点であるようだ。

 一方、阿寒湖畔の各ホテルもこの釧路・阿寒の動きを黙って見逃すはずはなかった。 温泉街にも古本屋が出来て、老舗のあるホテルは2つある宴会場の1つをつぶし、ホテル内にちょっとした古書店街を作った。 神田の古本屋もテナントとして頑張っている。

 都心部の栄町にはさらに古書会館が出来て、内外から業者が集まり週に2日はセリ・交換会が行われている。 会館の2、3階は釧公大、釧教大、釧路短大、釧路高専のゼミの学外教室となり、交代でうまく使って交流を深めていた。 若い人もどんどんこの北大通周辺を闊歩するようになって、街が息を吹き返してゆくのが手に取るように分かった。
 周辺では急ピッチで若者向けのアパート・マンション、そして対照的ではあるが高齢者向けのマンションも建設中である。

 ここで古本屋街の各店を紹介してみよう。
 釧路駅前には鉄道・交通専門店の 「SL釧路」、少し行くと文学・郷土誌専門の 「サビタ書房」 と 「豊文堂書店」、 1本裏通りに写真・美術専門の 「キャパ書院」、SF・コミック・サブカルチャー専門の 「ウルトラアトム」、 十字街には絶版文庫専門の 「久寿里文庫」、MOOの中には自然関係、 特に鳥類が専門の 「鶴屋書房」と、鯨や魚類専門の 「鯨書房」・・・。

 ほかの映画館も紹介しよう。 小さいながら3館あります。
 名作と古いアニメ専門の 「釧路名画座」、「北8シネマ」 は古本・中古レコード・ビデオ・CD・DVDも販売し、洋画も上映しています。 「大人の映画館」 はそのまま、昔の日活映画を中心にちょっと色っぽい映画を上映、何とかやっています。
 ――いい時代になりました。

 (「釧路新聞」 平成17年 (2005年) 11月14日 (月) 付紙面より再録。 掲載にあたり、適宜段落空けを増やし句読点などを加えています)


  <現在の執筆者より>
 「俺が書いたやつで最高ケッサクだ!!」 「SFだって言ってんのに、真に受けてどこにそんなにたくさん古本屋があるんですかって訊いてきた、そそっかしいのがいたな」



                                        (2013年11月24日掲載)

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●本店●                                             ●北大通店●
〒085-0034                                             〒085-0015                     
北海道釧路市白金町1番16号                              北海道釧路市北大通8丁目1番地  
TEL/FAX (0154)22-4465                       TEL/FAX (0154)31-4880         
営業時間10:30〜18:00 月曜定休日                  営業時間10:00〜19:00 不定休   

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