開設日 2005年 1月 2日
最終更新日 2020年 2月28日

   

港のまち、炭鉱のまちとして栄え、湿原を間近にのぞむ 道東の拠点・釧路。
ここは、1982年よりこの地に店をかまえる 豊文堂書店のウェブサイトです (店舗案内は、こちら を どうぞ)。
すぐ下の小窓で サイト内の在庫の検索 ができます (検索先のページが文字化けする場合は 「再読み込み」 をお試しください)。
ホームページ商品先頭の 「当店整理番号」 に 「北」 とついてあるものは、北大通店の在庫品です。
それ以外の商品は本店在庫ですので、 直接北大通店にお越しになる際は、お間違えのないようにお願いいたします。


お知らせ
2/28 (金)  豊文堂書店の新規入荷欄
郷土誌、漁業、歴史、思想、文学、児童書の分野
  計12点を 登録しました。

豊文堂書店 Instagram インスタグラム


現在、 白金町の本店は 毎週日曜日のみ営業 しています (営業時間 10:30〜18:00)。

<2月の本店の営業日>  2/2 (木)、2/9 (日)、2/16 (日)、2/23 (日)
2020年2月8日午前撮影 幣舞橋より釧路川を望む。(クリックすると 拡大します)
北大通店 2階 喫茶 ラルゴ Largo の 部屋夜は口笛を吹くな
北大通店の玄関を入って
すぐ右手の階段をお上がりください。
美味しいもの、あれこれご用意しています。
散歩の途中の骨休め、1階で古書をご覧になった後など、お気軽にどうぞ。


日替ランチメニュー、展覧会やライブ告知の情報は こちら から
喫茶 ラルゴ の 新着情報 入口

 平位公三郎さんの自伝的音楽コラム 「レコードの溝」 を更新しました。

 今回は、冒頭で本コーナーのこれまでの道のりを振り返っていただきました。 また本編も、吉田拓郎ばかりではなく、 平井一彦、友部正人、こまどり姉妹、友川かずき、樹木希林、小津安二郎といった諸氏の名前が行き交う いつも以上に多彩な内容。
 彼らをつなげるキーワードはズバリ 「狂気」 です。

  平井一彦 『密漁』 (You Tube より)

  友川かずき 『生きてるって言ってみろ』 (You Tube より)

  ニーノ・ロータ 『道』 (You Tube より)


                (2018年11月21日更新)

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 豊文堂書店の常連さんが書き手にまわる連載コラム 「本を繋げて」 の収蔵庫は こちら です。

                (2018年11月28日新設)

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 連載コラム 「本を繋げて」 の特別編として、 根室市在住の福田光夫さんによる 「泉川駅史考」 (先行公開版) を掲載しています (こちら からお読みください)。

 北海道東部のとある駅と町のかかわりを見つめた貴重な論考であるのは勿論のこと、 福田さんの少年期の幸福な思い出と結びついた、これだけは書き残しておきたいという使命のようなものがお分かりいただけるかと思います。

 また、本編がこの時期に発表される背景には、 JR北海道が北海道新幹線開通の裏で進める赤字路線の廃止検討策への懸念も見てとれるでしょう (福田さんは3月下旬に廃止される花咲駅の駅史を現在編纂中とのこと。 追記: 『花咲駅史 1921.8.5-2016.3.25』 は2016年10月初旬に刊行されました)。

                (2016年2月1日更新)

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  2020年2月22日 (土)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第51試合

  1. この他に良寛の本
  2. アイヌ系の刺繍
  3. 沢木耕太郎
  4. 沢木さん的な要素がある本
  5. 「なんか入ったかい」
  6. 立川談志のDVD
  7. 犬の雑誌

 関東在住のアランジさんからメールをいただく。 東京の古本屋でみつけた 『柳田国男 児童読み物集 火の昔 少年少女のための文化の話』 (海鳴社) について。 集中、とりわけ感銘を受けた章があるらしい。

 たまたま店の棚に、角川文庫版の柳田国男 『火の昔』 があった。 教えてもらったくだんの 「松のヒデ」 の章を読む。 なるほど、確かにこれはよい内容だ。

 というわけで以下、長くなるが引用文。 原文にない行開けをこさえてあります。 為念。


 「私の聞いている話でも、昔といってもわずか八、九十年前に、奥州津軽の学者平尾魯仙という人などは、 珍しく多くの本を残していますが、それは皆この松の火をともして、その下で読んだり写したりしたものばかりで、 そのために油煙のすすでよごれてしまって、毎朝黒ねこのような顔をして起きてきたということであります。

 二宮金次郎などもそうだったかもしれませんが、こういう多くの黒ねこが、だんだんと日本国民をかしこくしてくれたのであります。

 もとより恵まれた境遇のもとに学問をした人もあり、中には最大のろうそくの光で書き、または昼間暇があって明るい日光の下で 書いている者もありましょうが、

 以前の民間の学者の著述の、少なくとも半分くらいは、 ほたるの光窓の雪ではないまでも、ほとんどそれに近いわずかなあかりの下で、顔もまっ黒にしようし、 目も悪くしようし、ひとかたならぬ苦労をしながら、人のために働いたのだったということを、 この燈火の歴史をかえりみることによって、認めなければならぬのであります
」 (「松のヒデ」 より)


 松の火の油煙でよごれた顔を黒ねこにたとえているのが強い印象をあたえる。 黒ねこのご先祖さまたち、ありがとう。 感謝します。
 そういえば2月22日は猫の日ではないか。

 「沢木 (耕太郎) さん的な要素がある本」 を訊かれて吉村 昭をすすめる。 エッセイ集 『史実を歩く』 をお求めいただく。
 7打数1安打。打率 2割7分5厘1毛。


  2020年2月21日 (金)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第50試合

  1. カフカ 『夢・アフォリズム・詩』
  2. 有朋堂文庫の 『平家物語』
  3. 京都の観光案内
  4. 鉄道の本

 数年前の 「まっぷる京都」、藤 泰人 『SLが輝いた日々 釧網本線 1969-1973』 が売れる。
 4打数2安打。50試合を終えて、182打数51安打。打率 2割8分0厘2毛。


  2020年2月20日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第49試合

  1. 国語辞典

 確定申告に押しつぶされている。
 1打数0安打。打率 2割7分5厘2毛。


  2020年2月19日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第48試合

  1. 「ユリイカ」 のリルケの号

 少し前に来たとき、店内で 「ユリイカ」 のリルケの号を見かけたというお客さんから探索依頼あり。 抜かりなく現物を確保できた。
 1打数1安打。打率 2割7分6厘8毛。


  2020年2月18日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第47試合

  1. 堂場さんの
  2. 手芸の本
  3. 樺太の本
  4. 雄別炭礦の本

 釧路市立博物館「雄別炭砿閉山50年 映像上映会」 が近づき、せっかく4のリクエストをもらったというのに関連書がなにもない (付記:上映会は新型コロナウイルスのため延期になった由)。

 堂場瞬一の文庫と手芸の本が売れる。
 4打数2安打。打率 2割7分2厘7毛。


  2020年2月17日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第46試合

  1. 昭和40年ごろの世界地図帳
  2. 黒井千次 『珈琲記』
  3. ほかに黒井千次
  4. 1800年代の阿寒の植物の
  5. 将棋の本

 サラサラ雪が積もる。

 黒井千次の 『春の道標』、『最新将棋全書 第2巻 駒落篇』 が売れる
 2週間前に訊かれて本店在庫を持ってきた 『阿寒植物景観』 も、お探しの方のもとへ。
 5打数3安打 (内1安打 2/4分)。打率 2割6分7厘4毛。


  2020年2月16日 (日)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第45試合

  1. 極洋捕鯨の本
  2. 大林さんの本 (大林素子)
  3. 昔の体操着の本
  4. そういう写真集
  5. 「西部警察」
  6. ブルマのお姉さんの
  7. 車や鉄道
  8. 戦艦の本
  9. 1冊300円の本
  10. 飛行機 (旅客機の本)
  11. アイヌ系の

 前日の北海道新聞夕刊の釧路版に釧路俳句連盟の方の句が載っていた。

  古書店の百円コーナー日脚伸ぶ

 ひょっとしてうちの店のことかしらと自惚れてみる。

 2003年から営業しているけれど、6の問い合わせはたぶん初めて。
 11打数0安打。打率 2割5分7厘3毛。


  2020年2月15日 (土)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第44試合

  1. 『緑の王國』
  2. 北S07215 『秋の理由』 福間健二
  3. お経の本で 『浄土三部経』
  4. 落語の本
  5. 「暮しの手帖」
  6. 写真の本

 当店ホームページをご覧になったお二方から、ピンポイントで1、2の指名が相次ぐ。 前者は、昭和14年の初刊本を釧路市教育委員会が復刊した 『緑王國 まり藻を探る 西琴手記 マリモと阿寒湖の生態史資料集 1』。

 他に、ちくま文庫の麻生芳伸・編 『落語百選 春』 が売れる。
 6打数3安打。打率 2割7分5厘6毛。

 夜、2階の喫茶ラルゴで 「 ハシケン  ソロライブ」 釧路公演 が開かれる。 今年はじめてのラルゴ・ライブだ。

 3月以降、自主的なライブやツアーを無期限休止にするというハシケンさんに、 釧路の聴衆たちがこの機会を逃すまじと襲いかかる (アンコールが2回!)。 ミュージシャンも期待を上回る力量で応える。
 結果、休憩も含めて3時間越えの、それはそれはたくさんの名曲佳曲が披露された。

 ラルゴのライブ・レポート あり。 喫茶部長の思い入れの強さがあらわれて、画像多すぎです。


  2020年2月14日 (金)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第43試合

  1. 洋書
  2. 書の本
  3. ショーロホフ 『人間の運命』

 なつかし館蔵駅前店がオープン した。

 洋書が3冊、『人間の運命』 収録の光和堂 『ショーロホフ短編集』 が売れる。
 夕方、近場に台車でごろごろやりながら納品してくる。
 3打数2安打。打率 2割6分6厘6毛。

 閉店後、2階の喫茶ラルゴで翌日開かれるライブの会場設営を手伝う。 重たいピアノの移動時に リポビタンD の 「ファイト一発!」 ごっこなど。 勝野 洋になったつもりで (ということは喫茶部長は自動的に渡辺裕之の役回りに)。


  2020年2月13日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第42試合

  1. 厚岸箱
  2. 黒川伊保子
  3. おすすめの本

 厚岸倉庫社長が久々のご来店。 北大通店からレコードがなくなったことをご存じなかったので、かれこれ9か月くらいのご無沙汰になるか。 その間読書をするどころではない忙しさだったという。

 ご自身のおとりおき本を仕舞った 「厚岸箱」 の所在もお忘れであった。 その厚岸箱から2冊選んでお求めいただく。
 3打数1安打。打率 2割5分8厘5毛。


  2020年2月12日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第41試合

  1. 井上ひさし
  2. 井上ひさしの娘さんの本
  3. 東野圭吾

 縁あって 『岡本喜八全仕事データ事典』 を編纂した方から、ご自身が出しているフリーペーパー 「映画史探究 寺島映画資料文庫研究会報」 の近刊2号分をいただく。

 第6号は創刊3周年記念号で 「没後35年 ゴジラを葬った男 東宝特撮俳優 平田昭彦伝」、 最新第7号の特集は 「岡本喜八の幻の映画 『幻燈辻馬車』」。 どちらもすばらしく内容が詰まっている。

 よい機会なので、積ン読していたちくま文庫の 『しどろもどろ 映画監督岡本喜八対談集』 を引っぱり出して読みはじめる。

 文春文庫の井上ひさし 『二ホン語日記』、 「季刊 the 座 第12号 イヌの仇討ち」 が売れて連打する。 東野圭吾も売れる。 猛打賞達成。
 3打数3安打。打率 2割5分6厘9毛。


  2020年2月11日 (火)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第40試合

  1. 星新一の短いのが載っている本
  2. 遠藤周作 『沈黙』

 建国記念の日。

 長澤 均 『ポルノ・ムービーの映像美学 エディソンからアンドリュー・ブレイクまで 視線と扇情の文化史』 (彩流社) という真面目な本を仕入れた。 どのように真面目であるのかは、実際に手にとって著者による真摯なまえがきにふれればおわかりいただけるかと思うが、 その話はいったん措く。

 値付けをしようとして、巻末の女優名鑑に前の持ち主の書込みがあることに気づいた。 買入れしたときに見逃していたので頭を抱えるが、よく見るとただの書込みではない。

 エイジャ 43歳、クリスティ・リン 23歳、サバンナ 23歳など、何人もの女優の享年を赤ペンで囲ってある。 それも早死にしている人ばかりだ。 持ち主だった方の嘆きがよく伝わるではないか。 そこから透かし見える 「物語」 が赤の他人の私の心を打つ。

 古本屋には歓迎されないものなのに (鉛筆でないから消しゴムで消せない!)、本の格があがったような錯覚にとらわれる。 これも世の中に1冊きりの 「痕跡本」 といってよいのだろうな。

 遠藤周作の 『沈黙』 (新潮文庫) が売れる。 スコセッシの映画版 『沈黙 サイレンス』 と関わりがある方が買い求めていかれた。
 2打数1安打。40試合を終えて、141打数34安打。打率 2割4分1厘1毛。


  2020年2月10日 (月)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第39試合

  1. ミュシャ
  2. 時実新子
  3. 鉄道の本
  4. 森見登美彦
  5. 『光る風』

 納品して午前11時より開店。
 『SLが輝いた日々 釧網本線 1969-1973』 が売れる。
 5打数1安打。打率 2割3分7厘4毛。

 北海道新聞夕刊の 「はいはい道新」 に 釧路市の女性の投稿 が。 「取扱商品はきちんと覚えておいて」 とあり、 私もちょくちょくやらかすので他人事ではない。 つーか、儂のことかと思ったぞな、もし (直近だと12月にヴァージニア・ウルフの 『灯台へ』 で同じことをしでかしている)。 猛省。


  2020年2月9日 (日)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第38試合

  1. この前見つけた子どもが読むツタンカーメンのやつ
  2. 阿満利麿
  3. 洋書の植物図鑑
  4. 植物画の本
  5. ムー・ブックス
  6. 岩波文庫の 『法華経』 全3巻

 橋井由高さん、最近は 「アンティル・ドーン 山荘の惨劇」 のゲーム動画にハマっているそうな。 私はそちらの方面はとんとわからないので勉強になった。

 少年少女講談社文庫の 『ツタンカーメン王のひみつ』 が売れる。 洋書ではないけれど 『A Guide to Kushiro Shitsugen』、 植物図鑑でないけれど1934年刊行の 『Webster's New International Dictionary』 など、洋書も3冊売れる。

 電話で訊かれた6がおとりおきに。 お客さん、すぐに引き取りにお見えになる。
 6打数3安打。打率 2割3分8厘8毛。


  2020年2月8日 (土)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第37試合

  1. 藤田の
  2. CC51227 『古河市兵衛による草倉・足尾両銅山経営操業の研究』
  3. レコード
  4. 『日本林業を立て直す』
  5. 郷土史関係 (戦前の白糠の地図)

 第71回 さっぽろ雪まつり風景印ハガキ が届く。 札幌の岩村誠二さんより。 雪ミク もいる。 いつもありがとうございます。

 本店在庫の2に電話で注文が入る。
 5打数1安打。打率 2割2分6厘5毛。


  2020年2月7日 (金)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第36試合

  1. 茶道の本
  2. 「美しいキモノ」
  3. 『ガリア戦記』
  4. 『カイエ』
  5. 岡本太郎全集
  6. 最果タヒ
  7. English Books

 「ガリア戦記」 収録の筑摩書房 『カエサル文集』 に電話で指名が入り、おとりおきになる。 売れたら安打に含めたい。

 前日訊かれた松岡享子のお客さん、再来店す。 お探しの書籍ではないけれど、本店から持ってきた 『えほんのせかい こどものせかい』 を気に入っていただける。
 7打数1安打 (内1安打 2/6分)。打率 2割2分7厘6毛。


  2020年2月6日 (木)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第35試合

  1. ルース・ソーヤー 『ストーリーテラーへの道』
  2. 松岡享子 『たのしいお話』
  3. 『ベトナムの若い母 トー・ハウ』

 近場のビルに徒歩で出張買入。 仕入れた本が段ボールで5箱ほどになり、いったん北大通店の駐車場に戻って車を出す。 エレベーターでビル上階から箱をおろし車に積む。 作業中、通りかかった猫山さんに声をかけられる。 店ですべての箱をおろす。
 午前11時半より開店。
 3打数0安打。打率 2割3分2厘7毛。


  2020年2月5日 (水)
 北大通店 本日の在庫お問い合わせ 第34試合

  1. 入浴法の本 (健康なお風呂の入り方なんかが書いてある)

 来釧中の猫山さんからいただいたJR九州の情報誌 「プリーズ」 1月号 をめくる。 開拓判官・島 義勇の記事があり目を通す。
 1打数0安打。打率 2割3分8厘9毛。 (K)
音楽コラム 「レコードの溝」 第50回 吉田拓郎 その5  平位公三郎・文
 平位公三郎さんの自伝的音楽コラム 「レコードの溝」 をお届けします。 今回は、冒頭で本コーナーのこれまでの道のりを振り返っていただきました。 また本編も、吉田拓郎ばかりではなく、 平井一彦、友部正人、こまどり姉妹、友川かずき、樹木希林、小津安二郎といった諸氏の名前が行き交う いつも以上に多彩な内容。
 彼らをつなげるキーワードはズバリ 「狂気」 です。

  平井一彦 『密漁』 (You Tube より)

  友川かずき 『生きてるって言ってみろ』 (You Tube より)

  ニーノ・ロータ 『道』 (You Tube より)


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 レコードの溝  第51回 
 吉田拓郎 その6 (『古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう』 『青春の詩』 『たくろうオンステージ第2集』 中編 その2)

                               「大阪のガス人間」 こと 平位公三郎 ・ 文


  (前段)

 このコラムを書き始めたきっかけは、たまたま豊文堂さんに送った <音楽を通した自分史> 〜それが 「前口上」 〜だったと思います。 それを読んだ社長さんに、面白いから書いてみませんかと言われて書き始めました。

 最初は、長い文は店長さんの負担になると思い、 原稿用紙2枚くらいに下書きしてからスマホで清書して送ってました。 (パソコンは持ってないので今でもメールです。) でも、長くてもコピーできるのを知りだんだん長くなりました。

 そのうち、一つのバンドについて書きたくなりピンク・フロイドシリーズが始まりました。 フロイドの総てのアルバムについて書いたら、一区切りとしてこのコラムも終了しようと考えていました。 そのうち月1更新を自分に課して行きました。 その更新回数や内容などに豊文堂さんからの注文は全くありません。

 月1更新は、だんだん自分の仕事のようになって来ましたが、『何でこんなことしてんだろう?』 と思い、 正直しんどい時もありましたし、資料集めに費用がかかったりもしましたが、 上手く書けたなと思った時は楽しかったんです。 「カイカーン! (快感)」 ですね。 それだけですね。 それだけのことで、ボランティアでもありませんしね。

 それに、読まれた方がどう思おうと、私には全く関心がありませんでしたし、 ごく少数の友だちに向けて書いてる積もりでした。 実際、ブログではないので一体何人の人が読んでるのかも分かりませんしね。 それは今も変わりません。

 ところが、諸般の事情で 「レコードの溝」 を休止またはやめるとなった時は、意外に落ち込みましたね。 腑抜けは大げさですけど、ちょっとそんな感じになりました。
 それは、自分でも予想外でした。 気付かないうちに、このコラムは、私の中で (勝手に) 大きく成長してたんですね。

 ですから、今後は気楽に考えて書いて行こうと思います。 拓郎シリーズもいつまで何処まで続くかは分かりませんが、またよろしくお願いします。

  ★

 (では、本編です。)
 拓郎さんの正式デビューアルバム 『青春の詩』 だが、私が使って一番恥ずかしい日本語は <青春> なのです。 1960年代半ばから70年代初め頃、「青春のなんとか」 というテレビドラマが大流行したことがあったが、 大概高校生と教師のあれこれだったのでタイトルだけで内容は分かってしまった。 もういいよ!と思っていた。
 21世紀前半の現在は、幸い <青春> が使われなくなってホッとしている。 (<青春> が好きな人はごめんなさい。)

 (話は飛ぶが)、
 今回の北海道長旅で出会った釧路在住のシンガー・ソングライターを紹介したい。 私と字は違う同姓の 「平井一彦」 さんです。 しかも、歳は私の3つ下で近い。
 しかし、とても固い人生を生きて来た私とは全く違う人生だ。 (平井一彦さんの生き方には憧れるし羨ましいが、自分の性格上体格上絶対無理だと思う。でも憧れる。)

 彼のことは、川島店長から教えてもらい平井さんの発売したCDを7枚持っている。 今回、たまたま平井さんが喫茶店でライヴをやるので店長と一緒に出掛けて、 しかもライヴ終了後に自己紹介して握手してもらった。 感激! 体がでかくてパワーを感じた。

 平井さんは、元漁師でタクシードライバーをやりながらライヴ活動をしている。 私は、その生きざまから生まれる生々しい歌詞と粘っこい歌声にハマった。 「密漁」 や 「臨検」 というタイトルだけで分かるでしょう?(こんな歌ないよ!)

 フォークというよりブルースに近い。 いや、むしろ津軽三味線の土着の匂いかな? (そういえば、最近こまどり姉妹にハマっている。 こまどり姉妹は、ザ・ピーナッツのようにハモれないので軽く見ていたが、少しハモってましたね。 失礼しました!最近は、二人の声の違いも分かります。)

 実は、2年前にラルゴで友部正人のライヴを見て彼にファンレターを渡した。 こんなことは初めてだったが、私の自作の詩を2編書いてたので、彼も驚いたと思う。 ライヴの次の日に本店で彼に会った。
 友部正人は詩人だと思う。 歌詞が詩として成立しているから <吟遊詩人> だ。 なんか、力まずに自然に自由に生きてる感じが素敵だった。

 でも、平井さんはメジャーな雰囲気の楽曲とは異なるし、友部正人とも違う。 その土着性?は独特だ。
 平井さんは、友川かずきにハマり影響を受けたそうだ。 友川かずきは名前だけは知っていたが、 テレビで 「生きてるって言ってみろ」 をギターの弦を切りながら歌う姿を観て衝撃を受けた。 しかも、胸ポケットには赤鉛筆を何本か入れていて、競馬か競輪の途中だと言っていた。

 私はぶっ飛んだ! 歌い終わり、「小遣い稼ぎができた」 と言って平然と帰って行くのを、 司会をしていた坂崎幸之助となぎら健壱が唖然として見送っていた。 またギャンブルに行くのだろうな。 『すげえなーやるなあー』 と、思った。
 と、ともに <ザマーミロ!> とも思ったのは誰に対してでもない。 司会をしてた2人を含めて、安定してる人たちに向けて 『世の中にはこんな人も居るんだよー!』 と叫んでやりたい気持ちになったのだ。
 何故だか分からないけど。…

 当然、友川かずきにもハマりCDを買いましたよ。 昔、三上寛に衝撃を受けたがまた違う衝撃だった。 まるで、詩人のランボーがギターを掻き鳴らして歌ってると思った。 狂気を感じたのだ。

 音楽だけで食って行くのは難しいし、<濃すぎる> ミュージシャンは不特定多数には受け入れられず特定される。 濃い原液は飲みにくいから薄めないと広められないが、その薄め方が問題だと思う。 だから、薄めずに自分の道を行くなら歌以外の収入が必要になる。
 それでいいじゃないか! 印税生活ができる人は、ヒット曲が必要だ。 そんな人は限られている。

 友川かずきには、狂気がある。
 平井一彦さんは、狂気の寸前で留まるが、いつそこへ突っ込んでもおかしくない危うさを感じる。 そこが魅力なのです。 こんなミュージシャンは居ませんね。

  ★

 さて、拓郎さん。
 当時は <たくろう> 名義ですが、初期の彼にはかすかに狂気を感じたけれど、 彼は (メジャーになるため?) 敢えてそれを棄てたか封印した。 (中津川のコンサートで、「人間なんて」 を1時間か2時間歌ったとか…狂気ですね。)

 加川良や泉谷しげるは狂気を自分なりにアレンジして表現した。 遠藤賢司は、ロックで狂気に走った。 だから、(大きな) 狂気を孕んだミュージシャンはメジャーにはなれないのですが、 ミュージシャンなんてみんな狂気を抱えてるんですよね。 役者や画家も同じです。 アスリートも同じです。

 実は、私たち一般人も狂気を抱えてるんですが、敢えてそれを見ようとはしません。 その狂気は、例えば 「え〜!あの人が?」 という類いです。 外面からは狂気は見えませんし、見せないようにしている人もいるでしょうし、 自分の狂気に気付かない人もいるでしょう。
 でも、私は総ての人が狂気を抱えていると思っています。 それを、上手く引き出せれば (まれに) 芸術になることもありますが下手をすれば犯罪です。 その差はとても大きいのです。

 では、ここで (私なりの) <狂気> を定義づけたい。 一般に 「狂気の沙汰」 といえば犯罪行為を指すが、そもそも法律が無ければ犯罪行為も無いことになる。
 では、正気とは何か? 法律に触れない生活をすることか。普段生活をしていて法律など意識しないが、 社会生活を営む上で法律はルールとして絶対に必要だ。

 しかし、時として小さなルールを破りたくなることは誰にもあるでしょう? (横断歩道以外を渡るとか、唾を吐くとか)。 刑法に触れるようなルール違反は、それを実行すると犯罪→ (近い) ←狂気となるが、 私はそれとは少し異なる定義をしたい。
 狂気とは、『人間の本能から最も遠い欲望を実践実行すること』 だ。 つまり、食欲・性欲・睡眠欲から遠く外れたことに没頭熱中することだ。

 (仮定として)、私は独房に閉じ込められたとしても、 (食事は保障され) 紙と鉛筆と本があれば生きていける自信はあるが、 普段の生活から読むことと書くことと考えることを禁止されたら狂うと思う。 いや、正気を失う。
 だから、ミュージシャンは歌わないと狂うんです。 映画監督は徹底的にこだわるんです。 その時、その人は人間の本能からは最も遠いところに居ます。 でも、それはスゴい快感なのですよ。 だから、止められないのです。

 人間は、<狂気> を吐き出さないと正気を保てないんですよね。 実に厄介な生物です。 それは、ひょっとしたら知性と理性を手に入れた時に、 狂気も <隠し味> として含まれていたのに気付かなかったのかもしれません。
 〜〜この世に狂気がなければ犯罪も戦争も起きませんが、芸術も生まれなかったかもしれません。 狂気がなければ平穏で平和でしょうが、如何にも退屈ではありませんか?〜〜
 あの世には狂気はないのでしょうね。 多分…

 ここまで書いて、やっと分かりました。
 私が、この 「レコードの溝」 を休むかやめるかでしばらく停滞していた時は、体調が悪くなりました。 それは、頭の中の狂気を吐き出せなかったからですね。 心の便秘です。 吐き出す <場所> が無くなったんですよね。 汚くてすみません。

  ★

 最近、狂気を感じた映画は川島店長から紹介されて観た、樹木希林の出演作 『日日是好日』 ですね。 私は、不覚にも冒頭から泣きそうになった。

 茶道が題材の静かな映画だが、〜「イタリア映画のフェリーニの 『道』 を家族で観たが、 私 (主人公の女子大生) は子どもだったのでさっぱり分からなかった」〜という語りで、 まずぐっと来てしまったのだ。 (百席が満席に近いスクリーンの前で、泣いてるのは恐らく私一人だろうと思うと恥ずかしくなり、 余計に涙が流れた。)
 それは、『道』 の悲しいストーリーを思い出したからなので、この映画の本筋とは直接関わりがない。 しかし、主人公の女の子の成長と心情の変化には通低しているのだ。

 まだまだ上映中なので詳しい内容は省くが、樹木希林の演技は <静かな> 狂気に満ちていて、 ラスト近くの顔のアップは何とも言えない表情であり、(「無我」 にも見えた。) 『嗚呼、この人はもうこの世に居ないんだ』 と思うと不思議な気持ちになった。 (後日、映画 『道』 を観たが涙は出なかった。 …記憶の中の映画とは形が変わってましたね。 いや、映画自体が変わることはないので私の記憶が変わってましたね。)

 この作品は、茶道を通して禅の精神にもつながってると思う。 〜〜果たして、樹木希林は悟りを開いて逝ったのだろうか?〜〜 あの表情からすると…悟ったと思うが、それが何かはもちろん私には分からない。 結果論だが、<諦め> にも見えた。

 ※(注) この映画は、退屈な人には退屈です。 田舎の友だちHくんは冒頭は爆睡したと言ってましたし、私の回にも静かな寝息が聞こえましたからねぇ〜。 でも、Hくんはもう一度観たいと言ってますし私もそうです。

 こういう、特に大きな事件の起こらない映画 (個人的には起こりますよ。) のことを私は 《小津安二郎的作品》 と呼んでいます。 映画時間の流れがゆっくりゆったりしてますが、川島店長はそこにアクションを見出だしてましたね。 それもひとつの映画の見方ですよね。

 それと、「物事にはすぐに分かるものと、時間がかかるものとがある」 にも感銘しました。
 茶道の所作が合理的かというと不合理でしょう。 その所作にいちいち意味を求めても、それこそ無意味です。 でも、現代人は <合理的であること> にこだわるんですよね。
 例えば、数字で示されると安心し納得するんですよね。 (だから、逆に騙されやすい。) でも、犯罪を起こすんですよね。 矛盾です。 犯罪は、合理的ですか?

 「教育は不合理です」 と、この前参加した大学の卒業生の集まりで、ある教授が言った。 それは、以前聞いた 「教育は矛盾です」 と符号する。

 久し振りに見直した小津の作品 『彼岸花』 で、 主人公の頑固な父親が奥さんに矛盾していると攻められて言い返す。 「矛盾してないのは神様だけだ。人生は矛盾だらけなんだ! だから矛盾の総和が人生だって言った学者だってある」 と、必死で言い返す。
 その様子が、いつも貫禄充分の主人公の父親が子どもの様に駄々をこねるので、 笑ってしまったが私も矛盾のかたまりです。 (この場面がこの映画唯一の山場と言ってもいい)
 でも、67歳になって小津作品を観ると、沁みますねぇ〜。 確かに、時間を経ないと分からないこともあります。

 それに、映画作品自体は変わらないのに、いつの間にかそれを観る自分の方が変わって行っているのです。 それを成長というのか老成というのか、経験を積んだというのかは分かりませんが、不思議なことですね。
 映画作品が <物差し> で、変化しなくても、 それを時々 <今現在> の自分に当てると長さが変わってる感じですね。 うん、そうだ!物差しだ。
 今の自分とぴったり合う昔の映画があると思いますよ。 (それは、いわゆる名画でなくてもいいんです。)

 だから、この映画 『日日是好日』 を観た若い人が、今から20〜30年後観るとどう思うのか楽しみだ。 多分その頃私は向こうで、樹木希林さんに会ってるかな? 会いたいな。 でも、ちょっとこわい。

  ★

 映画 『彼岸花』 は、1958年(昭和33年)の作品だ。 私は小学2年生か! ちょうど60年前になる。 私は遅い子どもなので、その当時の私の父親が映画の佐分利信の父親と同じような年頃だと思う。 そう思ってこの映画を観ると余計に感慨深い。
 生活環境は大きく変化しても、人間のやることはそんなに変わらないのですよね。 (うちの父親も、時々ムキになって母親とけんかしてたな…。 その夜は、母親と妹と3人で父親と別の部屋で寝てましたね。 でも今は、その時の父親の気持ちが分かりますけどね。)

 この前、1つ下の友だちと京都の母校の大学へ、教育学科開設50周年記念行事に参加したが、 友だちは何10年振りだったのでその変わり様に驚いて声も出なかった。
 ちょうど、学園祭だったので50年前の私たちみたいな年齢の学生たちを、 ベンチに白髪のおじさん2人で腰掛けて眺めていた。 「50年か…」と、2人で呟きながら。

 その、約50年前の1970年に、このアルバム 『青春の詩』 は発売された。
 オリジナルアルバムで言えば2枚目が 『人間なんて』 で、3枚目が 『元気です』 と続くのだが、 アルバムジャケットの拓郎の顔の変化を見てみたい。

 『青春の詩』 の拓郎は、おかっぱ頭で若い!と言ってももう24歳だ。 (でも、失礼ながら当時21歳くらいのK 先輩の方が老けて見えた。) 私は拓郎は、当時20過ぎでもっと若いと思っていたから、 「結婚しようよ」 の時は26歳だったのだからと、今更ながら納得した。

 さて、デビューアルバムの拓郎の顔は挑みかかるように見えるが、 『人間なんて』 の階段に座るジーンズに長髪の拓郎は、少し余裕を感じる。 加藤和彦ディレクターのこのアルバムは、変化に富んでいて良くできている。
 そして、メジャーに移った 『元気です』 の顔は不満たらたらに見える。 その拓郎の唇が、ミック・ジャガーみたいに分厚くてセクシーとか話題になりましたね。 今見ると、そうでもない。

 この3枚のジャケット写真に共通しているのは、拓郎の視線がカメラ目線ではないことだ。 3枚ともカメラのレンズを見ないで他所を見ている。
 それで思い出したが、初めて拓郎がテレビで 「マークU」 を歌うのを観た時も、 「襟裳岬」 で賞をもらった時もテレビカメラから視線を外していた。 俯いていた。
 それは、その後のマスコミに対する拓郎の姿勢につながると思う。 拓郎は、マスコミを信用していなかったのだ。

 ここまでの3枚目までが <私の拓郎> なのですよ。 これから後の拓郎は、少し私からは離れて行きます。 言い換えれば、拓郎に対する私の気持ちは <薄く> なって行くのです。

 拓郎を最も身近に感じたのが、2枚目の 『人間なんて』 で、まだ少し素人っぽさを残しているが、 『元気です』 からは完全にプロミュージシャンになってだんだんカリスマに近づくのです。 顔がアイドル顔になります。
 でも、この3枚のアルバムが、私にギターを弾いて歌う愉しさや、 カラオケの無い時代に自分のストレスを発散させる方法を教えてくれたのです。

 ありゃあ〜、またまた話はズレて、映画の話が中心になりましたね。
 すみません、『青春の詩』 と 『たくろうオンステージ 第2集』 の各楽曲については次回にします。


                                      (2018年11月21日掲載)

                           これまでの 「レコードの溝」は こちら です。
随筆再録 第12回 「近未来の釧路市北大通繁盛記」 豊文堂書店 店主 豊川俊英 ・ 文
  近未来の釧路市北大通繁盛記   一古書店主の夢想
                                 豊文堂書店 店主 豊川俊英 ・ 文


 ――賑わっている。
 釧路駅から幣舞橋、それに橋向こうの南大通りの3軒をいれると、 この地区には何と25軒の古本屋が出来てさらに出店予定が4軒、 また全国チェーンの大型新古書店も進出を窺っているとの噂だった。
 北大通周辺はホテル街と古本屋街、それに従来よりの銀行・金融機関、各種公共施設、民間企業、個人商店がうまく絡み合って、 今や 「北の神田」 「北海道古本特区」 と呼ばれ、日本中より本好きを集めていた。

 JRや航空各社も競ってツアー商品を企画している。
 HACの 「函館・旭川・釧路、古本・温泉満喫の旅」、JALとANAも 「知床・釧路湿原・阿寒観光、古本探索ツアー」、 JRはお得意の3輌のSLを使って、根室―網走迄の特別列車 「SL古本号」 だ。 書棚のついた特別車輌を連結して車内販売もしております。
 来春には東京〜釧路間のフェリーも復活が決まった。 首都圏から自転車やバイク、乗用車で沢山の人が来るだろう。

 北大通商店街は確実に昔々の賑わいを取り戻しつつある。
 空き店舗に手頃になった家賃の魅力で若い人がここ7、8年の間にどんどん開業して増殖したのだ。
 古本のインターネット全盛時代は一服し、商売はやはり対面販売でという社会の変化と、 小さくても個性のある品揃えの店に再びお客さんが戻って来たのである。 オタク的な店主もいるが、その 「オタク」 を専門にしてしまったのである。

 高齢者や障害のある方にも配慮して手すりをつけ段差がなく、 店内を自由に見れる店も3軒あり各店ごとにトイレや休憩所も整備中である。 観光案内、荷物の一時預り、みやげ物販売、古本屋案内も兼ねた 「道の駅」 もあり好評である。 アジア各国からのお客様にも対応出来るようだ。

 駐車場のスペースが確保出来ない等の理由で、出店が遅れていたコンビニ業界も、今は各社が進出し競っている。 新刊書店の大手 「トーチャンゴー」 も40歳以上のお客様に的を絞った新店を現在十字街に建設中である。
 かつて中心街を運行していたあの懐かしの 「くるりん」 も 「こしょりん」 と名前を変えて元気に走っている。 現在は3台が稼動中であり、大切な足となっている。
 古本好きは地味ではあるが確実な滞在型であり1泊・2泊して地域の経済に大いに貢献してくれています。

 高速道路も整備されて出入口の阿寒は、重要な第2の古本屋地帯になろうとしている。 自然の中の樹々に囲まれた静かな地域に、主に美術関係を扱う店が数軒出来て、 一緒に進出して来た骨董店、レストランとミックスして軽井沢のような地域になってきた。 温泉もあり何といっても釧路空港に近いのが、最大の利点であるようだ。

 一方、阿寒湖畔の各ホテルもこの釧路・阿寒の動きを黙って見逃すはずはなかった。 温泉街にも古本屋が出来て、老舗のあるホテルは2つある宴会場の1つをつぶし、ホテル内にちょっとした古書店街を作った。 神田の古本屋もテナントとして頑張っている。

 都心部の栄町にはさらに古書会館が出来て、内外から業者が集まり週に2日はセリ・交換会が行われている。 会館の2、3階は釧公大、釧教大、釧路短大、釧路高専のゼミの学外教室となり、交代でうまく使って交流を深めていた。 若い人もどんどんこの北大通周辺を闊歩するようになって、街が息を吹き返してゆくのが手に取るように分かった。
 周辺では急ピッチで若者向けのアパート・マンション、そして対照的ではあるが高齢者向けのマンションも建設中である。

 ここで古本屋街の各店を紹介してみよう。
 釧路駅前には鉄道・交通専門店の 「SL釧路」、少し行くと文学・郷土誌専門の 「サビタ書房」 と 「豊文堂書店」、 1本裏通りに写真・美術専門の 「キャパ書院」、SF・コミック・サブカルチャー専門の 「ウルトラアトム」、 十字街には絶版文庫専門の 「久寿里文庫」、MOOの中には自然関係、 特に鳥類が専門の 「鶴屋書房」と、鯨や魚類専門の 「鯨書房」・・・。

 ほかの映画館も紹介しよう。 小さいながら3館あります。
 名作と古いアニメ専門の 「釧路名画座」、「北8シネマ」 は古本・中古レコード・ビデオ・CD・DVDも販売し、洋画も上映しています。 「大人の映画館」 はそのまま、昔の日活映画を中心にちょっと色っぽい映画を上映、何とかやっています。
 ――いい時代になりました。

 (「釧路新聞」 平成17年 (2005年) 11月14日 (月) 付紙面より再録。 掲載にあたり、適宜段落空けを増やし句読点などを加えています)


  <現在の執筆者より>
 「俺が書いたやつで最高ケッサクだ!!」 「SFだって言ってんのに、真に受けてどこにそんなにたくさん古本屋があるんですかって訊いてきた、そそっかしいのがいたな」



                                        (2013年11月24日掲載)

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